YZF-R1の系譜

YZF-R1/M/S(2CR/2KS) -since 2015-

15YZF-R1

開発コンセプト「High tech armed Pure Sport」

大幅に生まれ変わった2015年からの第三世代YZF-R1です。

外装もエンジンもフレームもホイールも何もかも変わったから大幅というより全面維新と言ったほうがいいかもしれない。

まず何と言ってもその外装

2015YZF-R1ヤマハブルー

 

今までMotoGPマシンのM1とR1は似ても似つかないデザインだったんだけど、このモデルは明らかにYZR-M1に限りなく近づいてますね。それでも開発は別々というのが面白い。

 

これから主流になるであろうライトの存在感を消し、あたかもレーサーそのままの様な印象を受けるデザイン。しかも綺麗に纏まっている辺りは流石デザインのヤマハ。

R1LED

ちなみに本当のライトはダクトの左右にある六角形のような物でローでは片目、ハイで両方が点く様になっている。上のLEDラインはポジションライトの役目ってわけだね。

日本ではライト常時点灯だから要らないけど、イギリスを始めとした欧州ではバイクもポジション必須なんです。なんか日本でも保安基準の準拠でポジションライトが標準装備になりそうだけど。

2015YZF-R1メーター

メーターは10R等と同様に完全にデジタルメーターへと移行。もう今やセンサーやらシフトインジケーターやらデバイスやらで色々表示する時代。ガソリンは相変わらず警告灯だけみたいだけどまあそこら辺はSSなので仕方がない。

 

テールカウルに至ってはやり過ぎ感があるほど攻めてる。

テールカウル

シートバックの固定が捗りそうだけどポキっと逝きそうで怖いですね。積む人がいるのかは分からないけど。

 

でまあ外装デザインについては個人差もあるしこれくらいにして問題は中身の方。

正直ここまでヤマハが力を入れてくるとは思わなかった。それくらい凄いしYZF-R6以上に吹っ切れてる。

2015YZF-R1ディメンション

何と言っても挙げるべきは市販車初となる六軸姿勢制御センサー。

200馬力も凄いけどそれ以上にコレが凄い。

sensor

「ピッチ」「ロール」「ヨー」と「前後」「左右」「上下」

つまり全方位をセンサーで自動的に感知しECUが自動で演算、それに合わせた出力を行なう。

これにより
1.バンク角に合わせた出力を行なうTCS(トラクションコントロールシステム)
2.横滑りを防止するSCS(スライドコントロールシステム)、
3.タイムロスに繋がる不用意なウィリーを防ぐLIF(リフトコントロール)
4.ロケットスタートを支援するLCS(ロウンチコントロール)
5.機敏なシフトアップを支援するQSS(クイックシフト)

これらを実現。

ディメンションリアビュー

もうサーキットでタイムを出すよりコケる方が難しいんじゃないかと思えるほどの運転支援機能の数々・・・マシンに乗っているではなく、乗せられているというのはこのR1で現実のものになりましたね。

さてサラッと言った200馬力ですが、それを可能にするために行ったのが更なるビッグボア化。
先代も1mmボアアップしてたんだけど、ソコから更に1mmボアを広げストロークを短くし圧縮比を上げ高回転化する事で200馬力を達成。

R1ネイキッド

さらに恐ろしいことにビックボア化、つまりピストンやシリンダーは横に広くなっているにも関わらずエンジン幅が広がるどころか34mmも縮小し、ついでに4kg減。

これはつまり壁を削ってるわけだから耐久性が・・・と思う人も多いかと思うけどそこはご安心。

CP4エンジンカットモデル

実はこのモデルでギア比が見直されクロス寄りに変更されました。
それはSBK(市販車レース)を視野に入れた為によるもので、そのレースでは用意できるエンジンに限りがあることからエンジンの耐久性も非常に重要なファクターなんです。

ギア比の変更

つまりレースも十二分に戦えるほどの耐久性は備えていると見てOK。

ついでにコンロッドもチタン化されてる・・・チタンコンロッドってこれまたサラッと言ってるけどそんなバイクは海外メーカーの300万も400万もする超高級バイクくらい。

ヤマハ自身もチタンコンロッドなんてYZF-R7(4本で100万)くらいだったはず。

 

そして更にもう一つの目玉マグネシウムホイール。

コストの面から量産化が難しくメーカーが嫌うマグネシウムホイールを標準採用。

マグホイール

マグホイールなんてレーサーレプリカ全盛期以来じゃなかろうか?

耐久性も技術革新で今はアルミと遜色のないレベルにまで達してる様ですし純正なわけなのでご安心。

他にもアルミタンクだったりとブレーキキャリパーが6potから新時代のMOSキャリパーっぽい4potになってたりと書ききれない。何でもこのキャリパーはBremboへの換装が容易に出来るようにピッチを同じにしてるんだとか。

 

ヤマハ自身も書ききれないのかR1としては初になるABSについては何も振れてない始末。

 

そしてこのモデルから「Mモデル」が登場。

YZF-R1Mカタログ

標準モデルとの違いは前後サスペンションが電子制御式のオーリンズ。パニガーレやHP4が付けてるのと同じですね。
ECUが走行に応じて伸・圧減衰力を自動調整してくれるという反則のような優れ物。

YZF-R1M

さらに専用カーボンカウルに加えCCU(Communication control unit)を搭載。

これは走行を記録するものでサーキットなどでのタイム測定をしてくれるものです。何でもスマートフォンと連動してるとか。

アッパーカウル内部

これだけの作りをしてるだけあってノーマルでも2,376,000円、Mになると3,186,000円とかなり高くなっちゃったR1。

いくらマグネシウムを多用していようが、とんでもないスペックだろうが、見た目がカッコ良かろうが

「高すぎて買えない」

っていう人が大半だと思います・・・がそんな人に朗報が。

かねてから噂されていた廉価モデルのYZF-R1Sの登場。

YZF-R1S

USヤマハでは既に販売が開始されていてお値段はプレスト価格を参考にすると210万円ほど。

コンロッド:チタン→鋼鉄
EGカバー:マグ→アルミ
ホイール:マグ→アルミ
エキパイ:チタン→ステン

と材質を変更してコストを抑えている。その分だけ少し重くてピークパワーも抑えられてるけど電子制御はクイックシフター以外はそのまま揃えてる。

マットブラック

ただ残念ながら今のところアメリカ販売のみで日本への入荷予定は無いみたい。個人で引っ張って来てる所がチラホラあるみたいだけど、続報が入ったらまた加筆します。

 

そういえば2016年にはヤマハ創立60周年としてUSヤマハインターカラーがまた登場しました。2016インターカラー

50周年の四代目5VYの時も出ましたね。あれからもう10年経つのか・・・

 

 

さて津々浦々と書きなぐりましたが力尽きそうなのでまとめると、この変更点を見れば分かってもらえる通りYZF-R1は完全に「サーキット」に視野を絞ったモデルチェンジとなりました。

赤モデル

造りから見ても開発陣の発言から見てもそれが見て取れますね。シート高なんて先代から一気に3cmアップでR6も真っ青な足つきです。

 

ちょっと小言をいわせてもらうなら、YZF-R1はレース規格に囚われずツイスティロード最速というコンセプトとして生まれたバイク。しかしそれが見事に大成功したことで規格がR1に合わせてきた事でR1も方向性を変える事となりました。そしてそれはこの2015年モデルで決定的なモノに。

歴代R1

R1が作った分野をR1が終わらせる・・・皮肉な話というか何というか、考え深い事です。

一体どうしてこうしたのかプロジェクトリーダーの藤原さんはこう仰ってました。プロジェクトリーダー藤原さん

「スピード違反が厳しくなって楽しめるシーンが無くなったから。」

 

・・・まあそうですよね。もうSSで楽しめる場所なんて無いし、社会的責任が大きくなっている以上避けられない。「これで峠を攻め込んで楽しんでね」なんてもう今の時代口が裂けても言えないですし。

 

「それならもういっそのことをサーキットで楽しむことだけを主観に作ったほうが良い」

となるのも分かる話。

今までは数が出ていたスーパースポーツも年を追うごとに販売台数は落ち込み、モデルチェンジサイクルが延びてきている事もR1の高級先鋭化に関係してると思います。もう台数追えないですからね。

ちなみにこの藤原さんは初代R1のエンジニアでR1には深く関わってきた方です。

 

 

「妥協しない」がキーワードだった初代R1

開発キーワード

それに習い

「言い訳しない」

がキーワードだった新型R1。

 

方向性は変わったけどヤマハにとって特別なバイクであることに変わりは無いんでしょう・・・高いけど。

エンジン:水冷4サイクルDOHC4気筒
排気量:998cc
最高出力:200ps/13500rpm
最大トルク:11.5kg-m/8500rpm
車両重量:199kg(装)

 

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【関連車種】

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系譜図

fz750 1985年
FZ750(1FM)
fzr1000 1987年
FZR1000(3GM/3LK/3LG)
yzf1000r 1996年
YZF1000R Thunder Ace(4SV)
4xv 1998年
YZF-R1(4XV)
5jj 2000年
YZF-R1(5JJ)
5pw 2002年
YZF-R1(5PW)
5vy 2004年
YZF-R1(5VY前期)
5vy後期 2006年
YZF-R1(5VY後期)
4C8 2007年
YZF-R1(4C8)
14b 2009年
YZF-R1(14B~1KB/45B)
2012YZF-R1 2012年
YZF-R1(45B/1KB/2SG)
2015YZF-R1 2015年
YZF-R1/M(2CR/2KS)

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