スーパーテレネの系譜

XT1200Z SUPER TÉNÉRÉ(23P)-since 2010-

XT1200Zスーパーテネレ

「Ultimate Gear for Intercontinental Adventure」

再び市販車として復活したスーパーテネレ。排気量が1199ccととても大きくなりました。

スーパーテネレという名前を付けてるだけあって造りは凄いです。ザックリ言うだけでも270度クランク直列2気筒4バルブにYCC-T、3ポジションABS/UBSなどなど電子制御テンコ盛り。

その中でもまずエンジン。

270度位相クランク

砂漠で培われ生まれたと言われるXT750TRXにも搭載された270度相違クランクパラツイン。トラクションに優れる特性を持つわけですが、もうスーパーテネレに積むのは必然ですね。

 

念の為に何故わざわざ二気筒なのか説明すると。

ラリーというのはサーキットとは求められる性能が違うからです。

最高速は200km/h程度も出れば十二分で、それよりも”ライダーの事を考える”のが最重要項目なんです。

・フラットな出力特性で疲労を軽減

・メンテナンス性に優れつつ信頼性のあるエンジン

・長距離を走り切る低燃費

こういった条件を考えた場合、必然的に単気筒が二気筒という選択肢になるわけです。(四気筒のラリー車が無かったわけではないです)

XT1200デザインスケッチ

XT1200Zスーパーテネレもその流れというかノウハウで作られたから必然的に二気筒。決してケチってるわけでないのでご注意下さい。ちなみにMT-07と違ってツインプラグです。

 

これでお値段1,680,000円です・・・高いと思いますか?ならば更に説明しましょう。

言っておきますがアドベンチャーをカタログスペックで判断するのはナンセンスですよ。

あと倒立のフルアジャスタブルサスなんてのは当たり前ですので今さらとやかく言いません。

XT1200Zメーター

メーターはオーソドックスながらGショックの様なゴツい補強&防塵防水を考慮。シガソケ標準搭載もありがたいですね。どう見ても自分でナビ付けろと言ってるような配置ですが。

 

内部構造で言えば駆動系ですが、メンテナンス性と耐久性を考えてシャフトドライブになっています。

これで長時間や長距離の運転も安心・・・なんですがコレただのシャフトドライブではありません。

シャフト・ドライブ

通常シャフトドライブと言えばこういう感じ。しかしXT1200Zスーパーテネレのシャフトドライブはヤマハとしては初となるハイポイド式です。

それがこれ。

スーパーテネレのシャフトドライブ

中心から少しオフセットされてるのがわかりますかね。

こうすると何が良いのかといえば、まずはバネ下の軽量化という説明不要のメリットが。更に複数枚の歯が常に噛みあうようになるので耐久性が向上する上に振動や騒音が減るわけです。

正に上で言った疲労軽減と信頼性を得るが為の構造ですね。ちなみにこれは非常に高い精度を求められるので当然普通のシャフトドライブより高いです。

 

次にエンジン周りのレイアウト。これも非常に考えられています。

ライトカウル

ライダーから見て右側のサイドカウルを外すとほぼ全ての電装系が纏められててメンテナンス性抜群。

 

お次は左側。

左側の方には何が入っているのかというとラジエーター。実はサイドラジエーター方式なんですね。

ラジエーター

多分VTR1000の系譜の方でサイドラジエーターについて知った人は

「なぜ前後長のあるVツインじゃなく、ただのパラツインなのにサイドラジエーターなのか?」

と思われるかもしれませんがもちろんコレにも理由があります。

それはどうしてもリアヘビーになりがちな荷重配分を適正化、簡単にいうとフロントヘビーにするため。そのためにラジエーターを横にズラし、エンジンをより前輪に近づけることでフロントへの荷重を稼いでいるというわけです。

それらの工夫によってスーパーテネレはビッグアドベンチャーの中でも結構ヒラヒラ系です。サイドラジエーターもファンに加え補強まで付けてるから転けても安心。

フレーム

そして真ん中ですが、タンクを外すとそこはもうエアクリーナーボックス、そしてスロットルバルブ、そしてエンジンヘッドがストレートで並んでる。

バックボーンフレームがセンターを避けている上に電装系は右に、冷却系は左に纏められてるから笑えるくらい整備性が良い。

 

要するにこういった一見すると見えないカタログスペックにも表れない小さい工夫の数々が詰め込まれているわけです。全てはライダーが快適かつ軽快に長距離長時間のライディングをしてもらうため。ちょっとやそっとの事では動じない屈強さも持っています。

2011XT1200スーパーテネレ

これだけの作り込みを見れば1,680,000円(OP別売り)という値段も頷けるのではないでしょうか?

 

ちなみにVストロムか何かでも言ったけど、欧州ではバイクに乗って一週間キャンプツーリングしたりするのは結構当たり前だったりするんです。モーターサイクル文化が非常に根付いているんですね。

XT1200スッテネ

つまりこのXT1200もそんな欧州のライダーをターゲットに作ったバイクなわけですが、その欧州での評価がどうだったかというとアッチのサイトの意見を纏めると

「かつて地球を支配したスーパーテネレの名を冠するに相応しい作りをしている。ネックがあるとすれば値段が高すぎる事だ。」

だそうです。やっぱり高いですねゴメンナサイ。

エンジン:水冷4サイクルDOHC2気筒
排気量:1199cc
最高出力:110ps/7250rpm
最大トルク:11.6kg-m/6000rpm
車両重量:261kg(装)

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系譜図

XTZ750 1989年
XTZ750SUPER TÉNÉRÉ
(3LD/3TD/3VA)
TDM850前期 1991年
TDM850(4EP/3VD)
XTZ850R 1995年
XTZ850R/TRX
RDM850後期 1999年
TDM850(5GG/4XT)
TDM900 2002年
TDM900/A(5PS/2B0)
XT1200z 2010年
XT1200Z
SUPER TÉNÉRÉ(23P)
XT1200ze 2014年
XT1200ZE
SUPER TÉNÉRÉ(2BS)

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