系譜の外側|ZR-7

ZR-7/S(ZR750F/H) -since 1999-

ZR-7

「等身大のオールラウンダー」

タンクのエンブレムが無かったらホンダのネイキッドと見間違えてしまいそうなほど小綺麗にまとまっているZR-7。

でもエンジンを見てもらえると分かる通りZEPHYR750にも積まれている空冷DOHC直四エンジンなのでザッパーの系譜・・・って、Zならまだしもザッパーの系譜って言っても今の人は分からないでしょうから少し説明しましょう。

 

ザッパーというのは1976年に出たZ650フォアの事です。

Z650

これは誰もが知る750RS(Z2)の三年後に新しく作られた軽量コンパクトスポーツがコンセプトのライトウェイトZでZ2とは全く異なるバイク。これはこれでスポーツ性の高さからZ2ほどではないにしろ人気が出ました。

そしてこのZ650で作られた新しいエンジンはその後スケールアップされZ750FX2に積まれ、その後もZ750系のエンジンとしてゼファー750まで続きます。

Z750FX

だからZ2マニアに言わせればZ2系は750RS→Z750フォア→Z750FX1までっていう考えが多かったり・・・ってそんな話はどうでもいいですね。

 

要するにZ650以降ゼファー750まで続いたエンジンを積んだZR-7はZ750FX2やZEPHYR750と同じザッパー系なわけですが、まあその知名度の無さから言っても誰も覚えてませんし、誰もZだとは思わないでしょう。

テール

エンジンこそ空冷だけどエアロフォルムにモノサス(ユニトラックサス)でとてもじゃないけどZには見えないもんね。ちなみにテールに至ってはユメタマでお馴染みZX-9Rの物を流用してます。

ユメタマC

ZとZXの夢のコラボは水冷Zになる前の段階であってたんですね。ガワだけですけど。

 

これはザッパーエンジンの数を出すために何か新しいバイク作れないかと考え、懐古志向なゼファー750に対し、足回りを強化したスポーツ志向のゼファー750という立ち位置で作った。

そして見事に失敗した・・・と、思うでしょう。しかしこれは日本国内から見た話で実際は違います。

ゼファー750

実はゼファーというのは日本で絶対的な人気がある一方、海外ではZ1やZ2の神通力は通用しないので需要が無い。そこで生まれたのがZR-7というわけ。

つまりZR-7は足回りを強化したゼファー750というよりも、輸出向けゼファーと言ったほうが正しい。

 

日本ではゼファー750の影に隠れてハーフカウルの付いたSが出ようと誰も興味を持ちませんでしたよね。ココらへんに日欧のバイク文化の違いが面白いほど鮮明に出ています。

ZR-7S

日本で人気が出なかった理由は上でも言ってますがザックリ纏めると

「所有欲が満たされないから」

でしょう。ブランドも性能も無いに等しい大型バイクですからね。

 

ちなみにアメリカも似たようなもので

「20年前のバイクかと思ったぜHAHAHA!」

とか酷い言われよう。

 

しかしコレが欧州だと評価が変わってくるわけです。

ZR750H

欧州では600~800ccのいわゆるミドルクラスが非常に人気があります。これは保険料なども関係あるのですが、さらに向こうの人達にとってバイクは日米と同じく嗜好品である以上に"生活の道具"でもあるからです。

欧州全てではありませんが、日常の足や休日の移動手段つまり日用品として広く認知され広く使われています。

そう見た時にこのミドルクラスはベストマッチで非常に人気があるわけですが、同時に非常にシビアな目で見られる。

そういった文化圏の人間として、車と同じように日用品としてシビアな目でZR-7を見てみたらどうでしょう?

zr7s

成熟どころか枯れきってる空冷エンジン、22Lも入るガソリンタンク、走りのユニトラックサス、使い勝手を考えたオーガニックスタイルスイッチ、タンデムや積載にありがたいグラブバー、そして安い車体価格とカワサキらしからぬ素行の良さ。

見事なまでに日用品としての要点を抑えている街乗りから高速までオールマイティに使える等身大のオールラウンダーに見えるのではないでしょうか。

 

実際にコストパフォーマンスに優れるバイクとしてドイツだけでも約12000台と、日本では考えられないほどの販売台数を記録しました。

ZR-7カスタム

今ではネオレトロブームによって実用性一辺倒だったZR-7をお洒落にカスタムするのがプチブームだったりする始末・・・原型留めてない。

 

全く同じバイクでも国によってここまで評価が別れるなんて面白いですよね。

カタログ

日欧の違いはZR-7を「日用品として見るか、嗜好品としてみるか」の違いだけ。

エンジン:空冷4サイクルDOHC四気筒
排気量:738cc
最高出力:73ps/9500rpm
最大トルク:6.3kg-m/7500rpm
車両重量:202kg(乾)

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