ビーキング

GSX1300BK B-KING(GX71A) -since 2008-

B-KING

このバイクは売れなかったけど比較的新しく、よくネタにされる事もあって有名ですね。

簡単に言うとハヤブサのネイキッドバージョンにあたるバイクで、ハヤブサの系譜に追加しようと思っていたのですが何となくコチラに。

近年稀に見るほどのネタ扱い車ですが、ネタにされるあまり真面目な解説をほとんど見ないのでちょっと真剣に売れなかった理由を考察し書いてみようと思います。

 

このバイクが初めて世間に登場したのは2001年の東京モーターサイクルショー。

B-KING

このコンセプトモデルが出た時は凄く話題になりました。

日本では「トンデモなネイキッドが出た」と話題になり、欧州でも「スズキが公式で超COOLな事をやりやがった」とお祭りに。

というのも当時ヨーロッパではカスタムビルダーによるSSのネイキッド化、つまり今でいうストリートファイターのブームが巻き起ころうかとしている時代でした。そんな時代の中でスズキが出したB-KINGはいわば公式による隼ストファイカスタムだったわけです。

 

そしてもう一つ話題になった理由(それも何故か語られないのですが)それは"スーパーチャージャー"が付いていたという事。隼エンジンにスーパーチャージャーを積んだもはやストファイなのかドラッガーなのか分からない過激さでアメリカ人のハートも鷲掴み。

しかもコンセプトモデルの時点で現実的な形をしていたので市販化を望む声が世界中から挙がってきました。

GX71A

ここまで聞くと売れない要素は無いヒットを約束されたバイクの様に思えますよね。

アレほど反響があったにも関わらず何故売れなかったのか?

 

 

その1 市販化が遅くタイミングが最悪だった

GSX1300BK壁紙

2001年のコンセプトモデルの時点でいつ市販化されてもおかしくないほどの完成度を持っていたB-KINGでしたが、市販化されたのは約7年後の2008年(2007年にアナウンス)と非常に時間が空きました。

ホモロゲなどを除き、バイクの開発は通常1~2年(初代ハヤブサは4年以上だけど)といわれています。そんな中で7年はとてつもなく遅い。コンセプトモデルで生まれた熱も冷め、みな忘れてしまいます。恐らく大事に作っていたことやハヤブサ(のモデルチェンジ)との兼ね合いが関係しているのでしょうが、いくら何でも遅い。

もうこの頃は既にストリートファイターブームによって既に各社から色んなストファイが出ていましたしね。GSX-S1000もそうだけどスズキは出すのがいつも遅い。

 

そしてもう一つのタイミングが最悪というのはリーマンショックによる世界恐慌が起こったから。

リーマンショック

サブプライム住宅ローン危機から始まった米国バブル崩壊による世界恐慌。これによりバイク業界は壊滅的なダメージを受けました。

何故バイクが?と思うかもしれませんが、人は不況を感じると嗜好品を買い控えるようになるわけです。バイク、ことさら大型は嗜好の塊のような物なので影響が非常に多かった。

B-KINGは出てすぐに市場が壊滅的な状況に陥るという最悪なタイミングだったわけです。2年絶たずに正規逆輸入車がモトマップ(スズキ逆輸入取扱)から姿を消したのはこの件によるものが大きい。

 

その2 スーパーチャージャーじゃなかった

B-KINGマフラー

2001年のコンセプトモデル段階ではスーパーチャージャーが付いていました。

80年代に出たXN85ターボ以来となる過給器付きバイクに胸を踊らせた人も多かった。

コストの問題なのか、耐久性の問題なのか分かりませんがスーパーチャージャーは見送られNAエンジンに。結局カワサキのH2に持って行かれてしまいましたね。

まあハヤブサエンジンな時点で過給器はメリットよりもデメリットの方が大きいと思うので付けないほうが正解なんだろうけど、消費者心理としては難しい所だね。

 

 

その3 HAYABUSAという絶対車

ハヤブサとB-KING

B-KINGの登場はハヤブサのフルモデルチェンジと同時でした。

HAYABUSA1300は1,490,000円(税別)

それに対しB-KINGは1,580,000円(税別)

そう、B-KINGはハヤブサより高かったんです。何故カウルを剥いだだけのB-KINGの方が高くなるのかと声が多かった。

しかしハヤブサとB-KINGはエンジンこそ共通(手は加えられてる)だけどフレームもホイールもスイングアームも専用に違うアルミダイカスト製を用意していたりと更にお金を掛けているんです。サスもそうでキャスター角の変更(つまりフレームの変更)までしています。

B-KING横

でも消費者にとってはそんな違いは見ても乗っても分からない

「同じ金額出すなら名実ともメガスポの頂なハヤブサ買う」

って人が大半だった。B-KINGはハヤブサのネイキッド、ハヤブサの亜種、という枠を抜けだせなかったわけです。

 

 

 

最後の理由 本当の怪物は誰も求めていなかった

B-KING顔

色々と売れなかった理由を述べてきましたけど一番の理由はコレだと思います。

 

B-KINGはカタログ落ちした後、50万円引き等の投げ売り紛いな事までしたにも関わらず在庫はなかなか捌けませんでした。申し分のない性能にハヤブサに負けないインパクトのあるルックス、そして末期にはハヤブサよりかなり安くなった車体価格。

それなのに売れなかった。これは腰が引ける人が多かったからではないかと。

B-KING前後

どデカい車体、どデカい200タイヤ、どデカいヒートガード。まさにコンセプトモデルデザインそのまま。

あまりにも実用離れしたインパクトに自分が乗ってる姿を想像できない、取り回しや足付き等の不安から腰が引けた人が多かった。実際は思ったほどじゃないとしてもね。

 

 

メガスポやSSなどの明確な数字が求められるジャンルに属していない怪物バイクとして、限定などの付加価値を付けずとも成功し常駐できている車種といえば

マッスルクラス

ホンダのGLシリーズ、ヤマハのVMAX、ドゥカティのディアベル、ハーレーのVRSC、などがあります。

お気づきと思いますが奇しくも全てが、足付きが良好で、低重心で、引き起こしも楽なクルーザー。

「怪物だけど怪物らしい走りや扱いを強要しない」

という共通点。

 

つまりB-KINGを見て思うのは、怪物バイクを好むライダーの多くが求める"怪物"というのは"本当の怪物"ではなく

B-KING壁紙

「コレなら俺にも乗れそう」

と思われる"怪物(のような)バイク"だという事ではないかと。

エンジン:水冷4サイクルDOHC四気筒
排気量:1340cc
最高出力:183ps/9500rpm
最大トルク:14.8kg-m/7200rpm
車両重量:235[239]kg(乾)

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